御嶽廻い

御嶽廻りの行事は、ノロ、根神、ウッチ神の三人の神女に自治会職員が付き添いで行っている。この日は、ウブンと魚を持参して西、東の御嶽を廻り、島の安泰を祈願し、あわせてイビガナシが動いてないかを調べる。

御嶽というのは、拝み山、ムイ、グスク等のうち聖地とされるところで平安座では、イリグスク、アガリグスクを言う。この聖地に「ウタキ」の名を与えたのは首里王府であり、場所は命名当時の島の開発度、土地生産力を表すと推察される。また村愛護神のウタキである。村はそこを要として展開していたに違いない。御嶽にはその周辺に林があってそこも神域とされる。この御嶽林は、平安座の潜在植生を示す貴重な林分ぶあり、ガルフ社誘致後の郷土に残された貴重な森林である。とくにアガリグスクの植物群落は良好な自然状態にあり、すぐれた生態系が維持され、注目されている。

御嶽廻りの行事は、一年に上期(カミジチ)と下期(シモジチ)の二期に分けて行ない、上期は三月と六月、下期は八月と十二月の各二回、年間四回である。上期のお供え物はノロ、下期はウッチ神の家から出すのを恒例としたが、現在は自治会が負担しており、魚は新垣家から提供される。島の西方に「北の岩(ニシヌイシ)」がある。そこには魚巣が多くカチ漁業として恵まれている。この漁場は新垣家が預っていたので、御嶽廻りの行事ごとに魚料理を神人にあげている。北の岩については、新垣家との関係が深い。

(平安座自治会館新築記念誌より)