二月ウマチー(ニングァチウマチー)

前年の秋にまいた麦穂が実を結ぶころに行う初穂儀礼で麦穂祭りである。

平安座は2月15日に行われ、今年の初ウマチーとする。 門中の本家を中心に行われたり、家族を中心に行われたりするが、麦の穂3本または7本、仏壇や神棚、拝所に供え、麦の穂の豊かな実りを祈るのが共通した儀式である。 物忌みがされるが古い時代は、部落が日取りして、物忌みのアシビが二日もあった。アシビの意味も今では70代以上の人々でなければ、理解できない古い語になったが麦の収穫前に豊作を祈る前祝であった。

この日は、ノロ、ワカノロ、ウッチ神など7人の神人が、麦穂3本、水、神酒、肴を持って、自治会役職員とともに西城・東城の御嶽に、麦および諸作物の豊穣と部落の繁昌、人々の健康を祈る。昔は、百姓衆も参加して大勢で賑わったようである。

二月物忌みは、畑に行かず、肥え桶け(こえおけ)をかつがず、針仕事さえも禁じられた。 祭日に仕事する者はハブにかまれるとか、わざわいがふりかかると信じられていた。

二月ウマチー御嶽からの帰り柴引家の東をとおり、津堅門家の後の湧井で手足を洗い清める、そして神屋の火の神、ウカマに麦穂を供え御嶽同様の祈りをする。その後、神アシャギに移りニーブ神を通して神酒のやりとりをする。神酒を造るのはニーブ家(根保家)の役目。 そして、ご馳走を食しながら、男の神人は豊漁祈願のしぐさでやりとりし、行事が終了すると、それぞれの門中宗家に戻り門中の集会で、門中の繁栄と幸を祈りアサウブンが振舞われた。二月が麦穂の実りの祈願であるのに対し、三月は収穫祭が廻ってくる。

(文:下條義明)